前回はクスミのスピーキングの勉強法特集を紹介しました。今回はリスニング力をどのように伸ばしていくのか、その方法をセブの大学生クスミの体験談をもとに紹介します。リスニングを伸ばす方法で音楽を聴くとか、英語をとにかく聞く、というのをよく耳にしますが、本当にその方法でリスニング力が伸びるのでしょうか?現在留学中の方や、英語学習に励んでいて何故か伸び悩んでいる方々に参考になれば幸いです。
リスニング力を伸ばす方法
まずリスニング力を伸ばすためには、英語の曲を聴く、映画を観る、スピードラーニングをする!というのが一般的な回答かもしれません。しかし、それはどうなのでしょうか?英語のラジオをずっと聞いているとリスニングは伸びるのでしょうか?セブの大学に通う久住が答えます。
答えは「意識次第」です。
正直、スピードラーニングや英語の曲などで英語が伸びるのは、英語の基礎がある方と赤ちゃんだけです。赤ちゃんは、会話の基礎というか脳がまだまだ出来上がっていないので、どんどん吸収していきます。しかし、大人の私たちの脳には、日本語というものが完全に埋め込まれてしまっています。英語をひたすら聴きまくる事では絶対に英語は伸びません。実際にこの方法で英語が伸びるのは、英語が中級以上の人のみ。
では初心者の方々はどの様にしてリスニングを伸ばしていくのでしょうか?英語の曲やリスニングCDを聞いても全く効果が表れない中級者以上の方も、ぜひ参考にしてください。
・最初の部分(特に動詞)
・スクリプトを使う
・イメージ(名詞)
最初の部分・特に動詞
picture by e-GMAT blog
”最初の部分・特に動詞”とは何でしょう?英語の文の構成はSVO(主語+動詞+目的語)となっています。これがリスニング伸ばす大きなヒント。英語の文章は、基本的に答えが、目的が、文の最初に来るのが特徴です。
例えばI didn’t play soccer last night. (私は昨晩サッカーをしなかった)
最初のI didn’t play(私は~しなかった)という部分。もうこの時点で何かをしなかったんだな!という事が分かります。あとのLast night(昨晩)なんて別に昨日の昼、と理解してもそこまで問題はありません。何が言いたいかと言うと、日本語は文を最後まで聞かないと意味が理解できません。
(私は昨晩サッカーをし・・・)最後まで聞かないとサッカーをしたのか、しなかったのか肝心なことが分かりません。しかし、英語は、 I didn’t play と、最初に ”私はしなかった” と答えを言ってしまっている。ようは、この最初の部分が大切になるのです。もっと詳しく説明すると、動詞の部分。
例えば、I play soccerのPlayの意味が分からなかったとしましょう。I 〇 soccer. 私はサッカーが好きと言いたいのか、サッカーをしたと言いたいのか、この動詞によって文章というのはガラリと変わってしまいます。という事で英単語、特に動詞を覚えることがリスニング力を伸ばすには重要なのです。もちろん名詞(Soccer)も大事です。(*後ほど名詞の大切さもご紹介)形容詞などの単語は、正直聞き逃しても大して害はないので、まずは動詞の単語を覚えるのが大切です。
スクリプトを使う
スクリプトとはなんでしょう?原稿や台本という意味です。語学学校でリスニングの勉強をする時、ほとんどの確率でCDで音声を流して、会話などを聞いて、問題に答えていく、ということが多いです。実際にTOEFLやIELTSもこのようなリスニングテスト方式です。ここでポイントになるのがスクリプト。
リスニングが終わったあと、私はスクリプトを目で追ってCDをもう1回聞いていました。これは映画を英語字幕で観るのと同じ効果なのです。例えば英語には独特のアクセントがあります。
I got it!! 「アイ ガット イット!!」 誰もこんな発音はしません。
I got it!! 「アイ ガリッ!!」 カタカナにするとこんな感じになります。
何が言いたいかというと、日本語で読んで発音する英語のアクセントはだいたい間違っていて、日本語アクセントの英語を覚えていてもリスニングの時に全く分からないのです。そして、いざスクリプトをみてみると、意味は実際とても簡単だった、というケースがあります。なので、英語の発音に慣れるため、正確に何を言っていたのかを理解するため、スクリプトで確認する作業はかなり効果的です。すると次に「アイ ガリッ!!」が来たら、お!「I got it!! 」って意味だな、と理解することが期待できます。
また、映画を観るというのもスクリプト効果と同じで、映画を映画字幕で観ることが大切なのはこのような意味に繋がります。フィリピン人の英語とアメリカ人の英語のアクセントは全く違うので、映画でアメリカ英語を英語字幕で観て学ぶ方法はとても効果的です。私はアメリカ映画をかなり沢山観まくって(いまシリーズでやっているThe Flashを何回も何回も観ています。)、アメリカアクセントの映画はだいたい理解できるようになりましたが、地域によって全く分からない時があります。
例えば、イギリス英語。かなりアクセントが強くて私はいまだに理解ができません。これも映画を字幕で観まくる方法をすると解決されるかと思います。
イメージ(名詞)
日本語で会話をしている時、特に聞き手側になっている時に無意識にしていることが、イメージをすることかと思います。「昨日、彼女と牧場に行ってきたんだよね!とても空気がキレイで快適だった。でも、草原を歩いていると牛のフンがあって・・・」このあと話し手の人がどういう事件に巻き込まれたのかは、皆さん想像がつくでしょう。
その前に多分皆さんは、緑が生い茂った壮大な牧場をイメージしていたかと思います。その後にフン。そして・・。と、このような感じで話し手が言っていることが100%理解できなくても、イメージをすることができていれば何となく会話は分かります。イメージのポイントは名詞。
この会話で牧場(stock farm)の意味が分からなければ、おそらくイメージすることができないでしょう。そう、やはり先ほどもお伝えしましたが、名詞の単語を覚えるという事が、イメージを膨らませるうえでかなり重要になってくるのです。
まとめ
今回、3つの点からリスニング力を伸ばす方法を紹介しましたが、やはり一番大切なのが継続力。何事も継続することが大切です。英語超初心者の人が英語の曲を2か月間本気で聞き続けたら、何かしらの効果はあるかもしれません。継続していたら無駄なことはないのです。
私自身は自分で英語を勉強することができなかったので、フィリピンという環境に身を置いて英語を勉強しました。伸び悩む時期はあるかと思いますが、頑張って英語学習を続けていきましょう!