昨年、TOEICテストの開発機関であるETS(Educational Testing Service)
により、TOEICテストの出題形式変更が発表され、いよいよ来月5月29日の公式テストから
導入されることになりました。
なぜ変更!?
TOEIC出題形式の変更は今回が初めてではないようで、2006年に一度変更され、
今回は10年ぶりの見直しとなるようです。
ETSによりますと、「英語の使い方は常に変化しており、テストもその変化に合わせて
見直しをすることで、より現代英語に近いもので英語スキルを確実に測定する必要が
ある為」とのことです。
どのあたりが変更になるの?
変更とはいってもテストの難易度や試験時間は変わらないとのこと。
具体的な変更点は以下になります。
☆リスニングセクションの変更点
1、写真写真描写問題と応答問題の設問数が減る。
2、会話問題の設問数が増える。
3、会話問題の中に、発言が短くやり取りの多い物が加わる。
4、3名で会話する設問がある。
5、省略形(want to がwannaなど)や、文を簡略した会話も出てくる。
6、会話やトークの中で聞いたことと、問題用紙に印刷された図などで見た情報を
関連付けて回答する設問がある。
7、会話やトークの中で話し手が暗示している意図を問う設問がある。
☆リーディングセクションの変更点
1、短文穴埋め問題の設問数が減る。
2、長文穴埋め問題の一つの文章に含まれる設問が4問になり、従来の単語や句に加え、
一つの文を空欄に埋める設問が加わる。
3、テキストメッセージやオンラインチャットなどで複数名がやり取りを行う設問がある。
4、読解問題で、3つの関連する文章を読んで理解する設問がある。
5、読解問題の設問数が増える。
以上のような変更になります。変更の傾向を見てみると、全体的にいえるのは、文法や
ボキャブラリーのような知識で左右される問題から、より会話のやりとりの理解度を
測る部分に比重を置く方向になっているようです。また、オンラインチャットのような現代的な
英語コミュニケーションツールが出てくるなど、時代に合わせたものになっています。
変更による受験者への影響は?
受験者にとって気になるのは、マイナーチェンジとはいえ、急にテスト形式が変わることで、
今まで受けたものと比較できなくなるのではということだと思いますが、ETSによると、
「テスト形式の変更前と変更後を何度も検証し、変更前後でテストのスコアの持つ意味が
変わることはない」といっています。
また、「今回の変更によって、従来の形式よりさらに、現在のグローバルビジネスにおいて
必要とされるコミュニケーション能力が備わっているかどうかを証明することができるので、
企業や団体などのスコア利用者はグローバルビジネスのコミュニケーションを成功させる
為に必要な英語能力を測るテストして今まで以上に利用できる」とのことです。
新TOEICテストで得をする人、損をする人
公式発表では旧テストと新テストで差が出ないとはいうものの、全体の20パーセント
くらいに変更が適用されているようなので、やはり新テストに向く人、向かない人というのは
少なからず出てくると思います。新テストの問題集をやってみた人の感想は、
「小手先のテクニックが通用しにくくなった」そうです。たしかに文を全部読まなくても
空欄の前後だけ見て回答できるような問題形式が減って、より文脈から全体の意味合いを理解
する問題の比重が高くなったので、普段から英語を全体で理解しようとしている人の
ほうが新テストに適応しやすそうですね。
(5月29日以降のTOEIC試験対策は新形式に対応した問題集で取り組むのがスコアUPに不可欠です!)
英語に限らずどの言語でもコミュニケーションとは、一語一語の単語の意味を拾うという
より、文脈から理解、推測することが重要ですから、今回のTOEICテストの変更は、
より実践的な英語能力を測るという意味で、進化したテストになったといえるかもしれないですね。
とはいえテストはやはりテスト。テスト対策をしっかりして慣れておいた方がいいことは
言うまでもありません。
来月からアップデートされる新TOEICテスト、受験予定の方は、新方式への準備を
しっかりやっておきましょう!